ぼくはママの小さい頃のことをよく知っている

園からの帰り道、隙あらばよそのお宅の塀に登ろうとする5歳の息子に注意をすると、「ママも小さい頃によくのぼっていたよ。ぼく見てきたもん」と。

聞けば、まだ自分がお腹の中にいたときに、【ママのくらし】というボタンがあったんだとか。で、そこをピッと押すと「ママが赤ちゃんの時からぼくを生むまでをぜんぶ見られるんだ」と。

いわく、母のへそからぴゅーっと出ていって、幼児期の母が今のぼくと同じように悪さをしている様子をばっちり見てきたんだと。「でもお腹から出てしまったので、いまはもう見られないんだ」。

子どもたちの豊かな想像力は本当に面白いですね。
最近の息子の発想は、特に『りんごかもしれない』(ヨシタケシンスケ/ブロンズ新社)の影響を強く受けている気がしています。

編集者/ライター。企業広報誌や商業誌をメインに活動。夫、未就学の息子、海水魚、金魚、カタツムリ、カブトムシ(夏期限定)と暮らしています。出産を機に、2015年から親子向け絵本ワークショップを始め、16年に保育士資格を取得しました。