保活の壁、3歳の壁、小1の壁……。なんだか働きたい母の前は壁だらけですね。日常の中にも大小さまざまな壁がありますが、毎朝、繰り広げられる「寝起きが悪い子との闘い」もその一つです。
わが家の息子(現在、5歳)は、すこぶる寝起きが悪い。カーテンを全開にして、掛け布団をめくっても、再びもぞもぞと布団に潜っていくか、泣きながら暴れるかのどちらかです。忙しい朝の時間に延々とグズられると、正直、ゲンナリします。
そんな息子に2歳頃からいろいろと試して一番効果があったのが、「朝イチで絵本を読む」です。
朝に読み聞かせだなんて、家事育児に追われる親としては、負担感が大きいですよね。そう思ったので試しに時間を測ってみると、大抵の絵本が3~5分で読み終わりました。「わが子のために毎日5分早く起きる」ことすら怪しい私は、起床時間は変えずに、それまで朝にしていた洗濯を夜に回し、その分を「目覚まし絵本」の時間に充てることにしました。
息子で実験したところ1冊読み終わっても起きないのは週に1日程度。その場合は「じゃあ、あと1冊だけ読もうね」と声を掛けてから2冊目を読みます。すると、2冊目を読み終わる頃にはほぼ目を覚まし、絵本の内容によってはゲラゲラ笑っていることも。それでも機嫌が悪いときは体調不良だったり、寝不足だったり別のところに原因があることが多いです。
「目覚まし絵本」を取り入れてから、強引に起こしていた時よりもはるかに子どもの機嫌がよく、その後の支度がスムーズになりました。また、音読の効果なのか親である私も目覚めがよくなりました。
朝食中や登園時の会話も弾み、結果的に「起きてから登園までの子どもとの時間」の質が上がります。
ポイントは、
1. 部屋を明るくすること。
2. 子どもの隣に寝て、仰向けの状態で絵本を読むこと。
3. できるだけ子どもの興味を引くように、擬態語や擬音語、セリフは抑揚を付けて読むこと。
睡眠改善インストラクターの友人いわく、「起きた時に読む絵本を、前の晩にお子さんと決めておくと、“翌朝のお楽しみ”が具体的になってより快適な目覚めにつながる」とのことで、こちらも実践中。
わが家では、子どもが選んだ本を寝る前と起きる時に1冊ずつ読んでいるのですが、息子はそれぞれを「よる本」「あさ本」と呼んでいます。ちなみに長い絵本や童話などを選んだ時には、「朝はここまでね」と読む範囲を二人であらかじめ決めておき、続きを同じ日の就寝前に読んでいます。
今朝も、息子は「あさぼんのおかげで、きょうもすっきりおきられたね」と言いながら、笑顔で登園していきました。
お子さんの寝起きの悪さにお悩みの方は、ぜひ一度試してみてくださいね。
『くだものだもの』(作:石津ちひろ 絵:山村浩二/福音館書店)
ユーモラスな表情のくだものたちと、韻を踏んだ文章の組み合わせが印象的な言葉遊び絵本。語呂がいいので小さなお子さんも自然に覚えてしまいます。お風呂やベッド、登降園のときに親子で口ずさみたくなる一冊です。